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PHP7からサポートされる無名クラス

PHP7から使えるという無名クラス、なんとクラスの定義をすることなくインスタンス(オブジェクト)を生成できる機能のようです。

new classインスタンスを生成します。

 

⇩  無名クラスについては下記サイトへ

PHP 7 の無名クラスから考えるクラスの在り方 - Shin x Hatena Blog

PHP7調査(26)無名クラスの導入

 

PHPマニュアル(PHP: 無名クラス - Manual )によると

無名クラス

PHP 7 で、無名クラスをサポートするようになりました。
その場限りの使い捨てのオブジェクトが必要になった場合に便利です。

<?php

// PHP 7 より前のバージョンのコード
class Logger
{
    public function 
log($msg)
    {
        echo 
$msg;
    }
}

$util->setLogger(new Logger());

// PHP 7 以降のコード
$util->setLogger(new class {
    public function 
log($msg)
    {
        echo 
$msg;
    }
});

コンストラクタを使って引数を渡したり、他のクラスを継承したり、 インターフェイスを実装したり、トレイトを使ったりといった、 普通のクラスと同じようなことが可能です。

<?php

class SomeClass {}
interface 
SomeInterface {}
trait 
SomeTrait {}

var_dump(new class(10) extends SomeClass implements SomeInterface {
    private 
$num;

    public function 
__construct($num)
    {
        
$this->num $num;
    }

    use 
SomeTrait;
});

上の例の出力は以下となります。

object(class@anonymous)#1 (1) {
  ["Command line code0x104c5b612":"class@anonymous":private]=>
  int(10)
}

無名クラスを別のクラス内で作っても、外側のクラスの private や protected なメソッドそしてプロパティにはアクセスできません。
外側のクラスの protected プロパティやメソッドにアクセスするには、 無名クラスに外側のクラスを継承させます。
外側のクラスの private あるいは protected なプロパティを無名クラスで使うには、 コンストラクタでそれを渡す必要があります。

<?php

class Outer
{
    private 
$prop 1;
    protected 
$prop2 2;

    protected function 
func1()
    {
        return 
3;
    }

    public function 
func2()
    {
        return new class(
$this->prop) extends Outer {
            private 
$prop3;

            public function 
__construct($prop)
            {
                
$this->prop3 $prop;
            }

            public function 
func3()
            {
                return 
$this->prop2 $this->prop3 $this->func1();
            }
        };
    }
}

echo (new 
Outer)->func2()->func3();

上の例の出力は以下となります。

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クラスの役割とは

『コーディングを支える技術 ~成り立ちから学ぶプログラミング作法 (WEB+DB PRESS plus) 単行本(ソフトカバー) – 2013/4/24 西尾 泰和 (著)』によると、

『クラスには2つの相反する役割があります。

1つ目は「インスタンスを作るためのもの」という役割で、このためには
「完結した、必要なものを全部持った、大きなクラス」
である必要があります。

2つ目は「再利用の単位」という役割で、このためには
「機能ごとの、余計なものを持っていない、小さなクラス」
である必要があります。

クラスが「インスタンスを作るためのもの」として使われているときには、再利用の単位としては大きすぎるのです。』

 

PHP5.4から導入されたトレイトは、コードを再利用するためのしくみなので、まさにこの「再利用の単位」という 役割を担っているといえます。

また、インターフェイスは、関数の引数を特定の型に限定できるタイプヒンティング(型宣言)に指定できるので 、クラスに型が必要なときは、インターフェイスを使うのが好ましいようです。

 

無名クラスに、トレイトやインターフェイスを使っていくことで、これまでのクラスの定義の複雑さが解消されていくような感じでしょうか。

主に、インターフェイスで「仕様」を定義し、トレイトで「実装」し、必要な時に無名クラスで利用するのが、PHP7のトレンドになっていくんではなかろうかとのことらしいです。

 

また、無名クラスとは関係ないかもしれませんが、仕様と実装を分離するという点では、下記の情報によるとポリモーフィズムもどうなんでしょうと。

ポリモフィズム多態性ともいいます。

仕様と実装を分離することによって主に拡張性を高めることを目的としています。

たとえば、親クラスにおいて仕様、つまりメソッドのみを宣言し、その親クラスによって宣言されたメソッドを子クラスにおいて実装することで仕様と実装を分離することができます。

このポリモフィズムによって親クラスに変更を加えなくても、子クラスを取り替えることで内部実装を柔軟に交換することが可能となっています。

[ThinkIT] 第5回:PHP5のオブジェクト指向 (3/3)より抜粋

⇩  ポリモーフィズムやタイプヒンティング、インターフェイスなどは下記サイトへ 

PHPのオブジェクト指向入門 | オブジェクト指向PHP.NET

今回はこのへんで。